みんなのスリランカ
アールイー初の受注書籍で2007年5月に発行。
管理人が所属する日本スリランカ友の会会員が寄稿した会報用原稿や書き下ろしを集め、交流の軌跡・知られざる魅力・豊かな観光資源・紅茶と宝石・ボランティア活動などのカテゴリーに分類して編纂しました。本作品には会発足25周年の記念イベントの意味合いが込められ、日本スリランカ友の会で活躍する役員・会員、元在スリランカ日本大使、紅茶輸入の第一人者など、大御所からも寄稿されています。管理人も一部書き下ろしを提供していますが、大御所の影に埋もれて、存在感は薄いです。
寄稿者それぞれに特徴があるので、あらゆる角度からスリランカを知ることのできる総合理解を深められる仕上がりです。
発行後はカバーデザインが水浴びする象というスリランカを象徴とするものでした。タイトル名は何度も議論を繰り返して決めたものですが、全体的に牧歌的なムードを放ち、本文とのギャップが生じたかもしれません。これには理由があって、当時は内戦一時中断の最中で何とも言い表しようのない緊張した雰囲気がスリランカ関係者の間で立ち込めていたため、他社が打ち出していないムードを放ちたかったという管理人の提案と会員の承諾がありました。
版元としては、初めて他者から原稿を募り編集するという作業を担ったわけですが、色々と勉強になりました。後の30周年記念作品『憧れの楽園スリランカ』に本作の経験が生かされ、ベストセラーとなっております。
とはいえ、本書も完成度はそこそこ高く、現地宝石採掘場、紅茶の歴史、日本国内でスリランカ産菩提樹の奉戴、徳島動物園に寄贈されたスリランカ象など、スリランカを更に詳しく知りたい人には良書と呼べる仕上がりで、今でも飽きが来ません。