ハリハリッ!! スリランカ
管理人のデビュー作で彩図社より2004年11月に発行。
本作品、実は自費出版で、版元(出版社)を20社ほど回った末に発行しております。訪問した版元さんでは原稿不採用や門前払い、出版費用が200万円を超過する見積額を提示されるなど、近年の執筆活動家が概ねよく辿る道を歩みました。
当時は書店流通書籍の執筆に慣れていなかったため10年もかけて書き上げたものですが、今読んでみると所々に痛々しい文体があります。後の社会背景を考慮していない箇所もあり、現代では通用しないフレーズも見られます。
コンテンツは著者自身の約2年にわたるスリランカ留学体験を綴ったもので、1992年にスリランカへ渡航したことから始まります。当時のスリランカは現在よりも知名度が低く、どちらかといえば“セイロン”の名のほうが知られており、誰に話してもどこに留学をするのか理解を得られなかった記憶があります(コロンビアとコロンボが似た語呂から南米留学と勘違いされるケースが後を絶たなかった)。
当時のスリランカは内戦の最中ではあったものの、外国人が生活するには危険区域内でなければ特に支障はなく、内戦が過激化するまでの間はそれほど問題もなく留学生活を送れました。
最初はホームステイ先が一時的にラトゥマラーナの仏教寺院となりましたが、これが幸いし、落ち着いた環境で僧侶と一緒に英語やシンハラ語の学習に熱中できたことはとても良い経験となりました。
次にホームステイ先をコロンボの副警視総監宅(上流階級)に移すと、次第に都心の生活に慣れ、コロンボの町を闊歩するようになり、大衆食堂でカトレッツ(カレーコロッケみたいなもの)を食べたり、路線バスに乗ってみたり、知らない人と話してみたり、独自に楽しみ方を見出していました。
ブリティッシュカウンシルでのイギリス英語学習、大学進学と、学生らしい生活を送るのもつかの間、1993年5月1日の大統領暗殺に端を発した治安の悪化が生活に悪影響を及ぼしました。何とも言えぬ殺伐とした雰囲気の中を過ごし、いつかテロが活発化してスリランカに滞在できなくなる日が来ることを予感し、よどんだ気分を払拭するため積極的に自分にとって有益になる人と出会い、まだ行ったことのない地に出向き、感じ、自分が今後どう進んで行くかを決定付けました。
青春時代をスリランカで過ごした日々を本書に納めましたが、自費出版ゆえに費用の問題があり、全てが書かれているわけではありません。ノーカット版は『スリランカで留学するぞ!』で発表予定です。