日本車をスリランカから逆輸入
スリランカには日本人が屯できそうな地域というものがありません。ないと言ってしまうと語弊はありますけど、少なくとも有名ではない上に規模も大きくないといえます。
挙げられる地域としては日本大使館が構えるコロンボ7区辺りでしょうか。高額所得の長期滞在者や外交官が過ごしやすい環境と言うべきか、気軽に訪れる旅行者向け地域という気配ではありません。他には日本料理店や日本語学校の類が挙げられますが、それら自体が現地の高額所得者相手に展開され、どうにも近寄りがたい雰囲気が漂います。
クルネーガラも割と日本とつながりの深い地域ですが、その理由は日本での労働経験者が多いことにあり、日本人がたくさん住んでいるというわけではありません。
そんなスリランカに日本人の過ごし易い一郭を築き上げ日本人旅行者内での知名度が高まれば、日本人のみならず日本贔屓な地元住民のビジネスチャンスにつながるかと思います。
日本人にとって居心地の良さそうな宿街、料理店、情報発信基地など、基盤整備を行えばタイのカオサン通りのような発展も可能かもしれません。もし「カオサンもどき」をスリランカ国内で築き上げるのであれば、都市部のコロンボやリゾート施設が立ち並ぶニゴンボ辺りで需要があるかと思います。何しろ、現状ではまだ誰も手を付けていない(そのようにしか見えない)状態なのですから。
しかしながら、沿岸部リゾートや若者向けばかりが芸ではなく、高齢者や涼しい地域を好む人向け需要も考える必要があると思います。ちなみに現在、日本ではいわゆる「団塊の世代」と呼ばれる方々の一部が引退する時期に突入しています。諸氏の声に耳を傾けてみると、余生を長閑で温暖な海外で過ごしたいけど、極端に暑いのは困るとの意見も含まれます。
誰もが過ごしやすい地域をキーワードに考えると、高地のヌワラエリヤ界隈を中心とする海抜1000m級の地域が挙がります。同地域は熱帯に位置するスリランカの中にあって信じ難い現象を生み、コロンボやアヌラーダプラなどの熱帯低地とは一線を画し、日中は強い陽射しが降り注ぐものの、朝夕は霧が立ち込め冷涼な空気をもたらします。この地域の気候、日本の避暑地で有名な軽井沢と酷似していると表現すれば、少しは分かりやすいでしょうか。
元々この地域は避暑地としての歴史があります。18世紀、植民政策当時の英国は一年中春先のようなこの地の気候を見逃すはずもなく、まずは避暑地開拓を行い、やがて紅茶栽培を持ち込み『セイロンティー』のブランド名を確立しました(正確にはコーヒー栽培を持ち込んで一時的に隆盛したものの、細菌繁殖のため、やがて失敗。紅茶栽培に切り替えて成功を果たす)。
管理人はバンダーラウェラがスリランカで一番のお気に入りの地で、毎年のように足を運んでいます。訪問の都度、この地域の気候が日本人に適していると感じ、前述のような開発振興の可能性はないのかと考察することがしばしばあります。
個人的な目の付け所としては地代が上がり始めているヌワラエリヤではなく、開発進行速度が緩やかで地の利の良いバンダーラウェラやエッラ、ディヤタラーワ、ハプタレー、エッラ、デモーダラ、バドゥッラなど。
同地域でリトルジャパンを築き上げ、勤めを引退した日本人を移住させる案も浮かび上がりますが、今後の年金システムのような変革次第で条件が変わる恐れがあるので注視しなければなりません。なお、2017年現在、海外在住でも年金需給することは可能で、現地口座宛に振り込み手数料政府持ちで振り込んでもらえます。
また、スリランカ滞在中では医療の問題が横たわります。
スリランカの医療事情について、我々は(発展途上国=劣悪)と捉えがちですが、基本として医療の道を志すスリランカ人は先進国で留学し、場合によっては日本より進んだ医学を引っ提げているケースもあります。予断ですが、管理人自身、25年も前にある病状をスリランカで“食中毒”と診断されて面食らったことがありましたが、それと同じ症状を日本の医療で食中毒と認めたのはその18年後。金銭さえ用意できるのであれば、専属の医師をその地に常駐させれば問題はないと考えられます。