スリランカ

スリランカスリーウィーラービジネスの改革

 

“スリーウィーラー”“バジャージ”“トゥクトゥク”など、呼び名が様々なスリランカの三輪タクシー。後部に3人分の客席を設け、コンパクトなシャーシで前面を覆い、天候を問わず活躍可能に仕上げた優れもの。小柄でカラフルな出立ちが可愛らしく、性能面では燃費が良くて小回りが利くので利用者にも何かと恩恵をもたらします。

 

過去にスリーウィーラーを利用された方から「高すぎる」「ボッタクリ」といった台詞を耳にすることが少なくありませんでした。その原因として、正規料金というものが存在しないためドライバーと料金を交渉せざるを得ないという問題が挙げられます。しかしその話は過去のもので、現在はコロンボ市内を中心にメーター制のスリーウィーラーが増加し、適正価格で走行するようになりました。
とはいえ、その「適正価格」、数キロ走行するだけで簡単に100ルピーを超え、バスや列車に比べ割高です。
ガソリン燃料の仕入れ値が高いから(アメリカに歩調を合わせる国策により、かつてのようにイラクから格安のガソリンを仕入れられない)、少人数しか運べない車両は低料金サービスを維持できず、もろに影響を受けるわけです。
これで一たび景気が悪くなるとスリーウィーラーも狡っからい輩が現れ、メーターを起動しないまま走行を始める者、渋滞を理由に高額を請求する者、様々です。
この状態が続いてしまうと旅行者に“スリーウィーラー=悪の枢軸”という印象を与え、めぐりめぐってスリランカの観光産業にマイナスへと働き、悪循環が広がりかねません。
以下の問題ポイントが挙げられますが、一体どれが解決可能なものでしょうか。

 

■ガソリンの仕入れ値高騰
■ランニングコスト
■ドライバーの賃金
■乗車定員の限界
■長距離走行の不適正

 

どうにも解決しがたいものばかりで、燃料仕入れ値と直結しやすいみたいです。
では車体の方は何か手が加えられないものでしょうか。
動力を電動自転車にするといったアイディアがありますが、これは出尽くした感があるので却下。そもそも現代スリランカの交通を妨げかねません。
過去に電動バイクの開発に力を注ぐ某ベンチャー企業の技術担当者と会談したことがあります。そのとき、スリランカに電動スリーウィーラーを導入することについての意見を求められました。管理人は既存の車両と同等かそれ以上の動力性能があるのかを尋ねたところ、上り坂は既存の車両より弱いとの回答。ということは活動範囲は低地のみになり、キャンディやヌワラエリヤなどでの活躍は厳しいということ。──その後その企業が開発した車両はまだスリランカで日の目を見ておらず、新たな情報も入ってきておりません。
そこで管理人はエンジンに着目します。現状は2サイクルか4サイクルの単気筒エンジン。これを別のエンジンに載せ換えてしまうという発想は今まで無かったはず。ではどう載せ換えるというと、単純に水冷式エンジンに切り替えるか、もしくは2気筒エンジンを搭載する方法です。
これが何を意味するのかというと、そもそもこれまでのスリーウィーラーのエンジンが旧世代のもの。現代風のものにアレンジすればそれだけでパワーが上昇するのだから、速度か乗車定員を稼げます。それだと燃費の低下が心配ですが、ここはキャブレター方式ではなく直噴式のF.I(フューエルインジェクション)で乗り切るというのはいかがでしょうか?
あまり進化ばかりを求めていると単なる軽四輪にたどり着き、本来ある愛らしいスリーウィーラーの姿を破壊するという本末転倒な話になるかもしれませんので、F.I導入までに留めておきたいですね。

 

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